焼酎など蒸留酒の製造技法の原型は紀元前3000年頃には誕生していた

焼酎など蒸留酒の製造技法の原型は紀元前3000年頃には誕生していた

焼酎などの蒸留酒の製造技は古代から存在し、その原型は紀元前3000年頃に誕生していたと言われています。 蒸留酒の起源は古代エジプトにさかのぼります。エジプト人はアルコール飲料を製造し、蒸留技術を用いて酒を精製していました。この技術は、液体を加熱、蒸発させてその後冷却し、蒸気を液体に戻すプロセスから成り立っています。この方法によって、アルコール含有率を高め、飲みやすい酒を得ることができました。 紀元前3000年頃、古代メソポタミア地域でも同様の蒸留技法が発展しました。彼らは焼酎の前身とも言えるアルコール飲料を製造し、その技法を精緻化させました。この技法はその後ギリシャやローマ、中世ヨーロッパなどに伝わり蒸留酒の歴史を築いていきました。 蒸留酒の技法がアジア、特に日本に伝わったのは、17世紀にオランダ商館が長崎に設立された頃です。この時期から、焼酎の原型が日本にも導入され、その後の日本の製造技の発展に影響を与えました。日本独自の材料や製法が組み合わさり、日本独自の焼酎が誕生したのです。

焼酎業界用語として用いられているアラビア

特定の職業にしか通じない言葉を業界用語といいますが、九州地区で生産されている焼酎業界にもなぜこの言葉が使われているのかわからない言葉があります。その焼酎業界の用語として使われているのが、アジアの西側に位置する国々の集合体を意味するアラビアです。なぜ西アジアの集合体を意味する言葉がなぜ焼酎業界で使われているのかというと、その製造工程が関係しています。ふつうのお酒との決定的な違いは、一度ふつうのお酒を造った後に蒸留器と呼ばれる機器に通すことです。この蒸留機に通すことで余計な水分を飛ばす代わりに、お酒の中に含まれているアルコールとうまみ成分を抽出することを目的としています。特にアルコールを集めて濃縮することで、雑菌の繁殖を抑制し保存性が高まるのがメリットです。この蒸留器がポイントであり、この手法はもともと海外からきた文化です。日本に来た外国人は蒸留器のことをアラビアを意味するアラックと呼んでいたわけですが、機器自体が中東で薬膳を煎じるために使われていたものを参考に作成したことが理由になります。